桐朋女子中学校 (東京都調布市) 学校探検
こころの健康・からだの健康

 現在、学校法人桐朋学園は、本校の属する女子部門,国立市にある男子部門,また後年発足した音楽部門の三部門から成り、それぞれ協力しあいながらも独自の教育展開を行っている。
―御校の沿革について教えて下さい。

昭和15年に山下汽船の山下亀三郎氏の寄付により軍人軍属子弟子女の教育を目指して山水育英会が設立され、仙川に山水高等女子校、国立に山水中学校の設置が認可されたのが始まりです。戦後、東京教育大学(当時の東京文理科大学・東京師範学校)と深い関係をもつ学校として、桐朋女子中学校・高等学校がスタートするのですが、当時の東京文理科大学学長である務台理作先生が理事長・校長を兼任しました。東京高等師範学校の校章が“桐”であったところから“桐”の“朋だち“で”桐朋“と名付けられました。

―教育方針について教えて下さい。

一言で言いますと「こころの健康・からだの健康」をモットーに個性を伸ばし、「人間教育」を目標にしています。

敷地面積30856uの桐朋学園女子部門。ひろびろとした土のグラウンドは都心部の学校には無い一つの贅沢。運動部はハンドボール、ソフトボール、バレー、バスケなどの球技や新体操・剣道・水泳部など13の種類の部活動がある。ほとんどが中高合同の練習だが、ソフト・バレー・バスケの3部は中高別々に活動している。

―ある方がブログで「桐朋女子は日本でも屈指の個性豊かな学校」と言っていたのですが、先生方はどのようにご覧になっていますか。

確かに個性的な生徒が育つと思います。生徒たちは6年間かけて意識的にも無意識的にも“自分”を持った生徒に育ってくれていると思います。生徒たちが個性的ならば教える側も個性的な教師がそろっているので、生徒たちには、担任や学年担当者でなくとも自分のことを何でも知ってくれている先生、何でも相談できる先生を見つけなさいとよく話します。
「心の健康 からだの健康」をモットーとして掲げる。写真は体育祭の様子。体育祭は桐朋女子の年間行事の中でも一大イベント。中学1年から高校3年まで、学年対抗で学年の名誉をかけて熱戦を繰り広げる。2008年は5月21日に行われた。

―古くから帰国生を受け入れていらっしゃいますね。

昭和34年がスタートです。帰国生も特別扱いはせず、他の生徒と同じクラスに入れ、クラスの中にとけ込めるように配慮しています。海外で暮らした帰国生が他の生徒に及ぼす影響は計り知れないものがあります。一方帰国生にとっても、それがことさらに自分を帰国生と意識する必要もなく、それまで培った力を自然に伸ばして行ける環境だと思います。

―教育内容に関して、中高6年間をブロック制にしているとうかがっています。

はい、中学1,2年をAブロック、中学3年と高校1年をBブロック、高校2,3年をCブロックと呼んでいるのですが、そもそもは中学と高校の落差を埋めたいということでスタートしました。Aブロックでは生活目標を「楽しく学校生活を送ること」、教科目標を「基礎・基本を十分に身につける」というところにおいています。Bブロックでは「自分自身の将来を見つめる」ということも目標の一つです。高校1年の終わり頃には高2高3の時間割作りをしなければなりません。どんな時間割を作るかは自分の生き方を決めるということですから、成長して行く自分自身と正面から向きあうことなのです。Cブロックでは大幅な自由選択制が取り入れられていますから、一人ひとりの時間割に沿って授業を受け、悩んだり迷ったりしながらも自分の決めた目標に向かって進んでいきます。

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