明治大学付属明治中学校 (東京都調布市) 学校探検
満を持して共学化に。―沿革と教育方針―

まもなく創立100年を迎える伝統校、明治大学付属明治中学校・高等学校。「明大明治といえばお茶の水」というほど神田キャンパスとは結びつきが深かったが、平成20年度より西調布の今の場所に移転した。
御校の沿革について教えて下さい。

本校は今年で創立98年目になりました。1912年(明治45年)に旧制明治中学校として明治大学の構内に設立され、その後学制改革で新制の明治高等学校・中学校となりました。本校はずっと男子校でしたが、昨年御茶ノ水から調布に移転して、男女共学になりました。

男子の付属校として人気の高かった御校が共学に踏み切られたのはなぜでしょうか。

私も本校に20年以上勤めていまして男子校の良さというのはよく分かっているつもりです。しかし一方で、明治大学は総合大学でもちろん男子学生も女子学生もいまして、今では女子学生の割合も4割近くになっています。ですから明治大学が経営している直系の付属校から女子の入学者がいないというのは不自然な感じもあります。ただ今までの御茶ノ水では敷地や設備の制約がありまして男女共学に踏み切るのは難しかったのですけれども、調布に移転したのを機に十分に広さも確保できましたので本来あるべき姿の共学にしてみようということで決断しました。

最寄り駅は京王線の調布・飛田給、またはJR中央線三鷹。各駅よりスクールバスが運行されている。写真は調布駅前の様子。調布駅は11万人を超える一日乗降者数を数える京王線の主要駅の一つ。新宿から18分、神保町からも乗り換え含めて36分、とアクセスは良い。

共学化してまだ間もなく、女子は少数だと思いますが、男子校時代と学校の雰囲気や生徒の様子に変化が見られますか。

学校全体の雰囲気は徐々になのですが、共学の学年やクラスの雰囲気は変わってきました。今までは男子校で良くも悪くも他人を気にしないでマイペースみたいな生徒が多かったのですが、共学になると異性の目も気になるようです。あとは女子は非常に熱心に勉強しますのでそういった女子の姿に引っ張られて、男子も勉強するようになってきたと言えるかと思います。

教育方針について教えて下さい。

中・高・大の10年一貫教育をメインにしています。私どもは付属校ですのでその利点を最大限に活かして、第一に受験勉強にとらわれない教育をしたいと考えています。もちろん受験勉強にとらわれないというのは勉強しなくていいということではありません。もっと大学や社会に出て必要な力は何なのかということを考えて、中学・高校時代から基礎力をしっかりつけていこうと考えています。具体的には「調べ学習」を非常に重視してまして、図書館やコンピュータを活用したり、最終的には卒業研究という形で自分なりにテーマを決めて、調べて、まとめることができるように指導しています。

軟式野球・サッカー等のグラウンド(90m×110m)、体育館、サブアリーナ、柔・剣道が各2面で行える柔剣道場、テニスコート(5面)、硬式野球専用グラウンド(東府中)など、運動施設の充実度は群を抜く。

資格取得の手当ても熱心とおききしました。

一方で今の時代ということもあるのですが、本校ではもともと資格取得の教育も熱心に行っています。学習面では英検・漢検や校内の検定ですが計算検定があります。さらに大学までを見据えて、簿記検定・法学検定・TOEICなどの取得講座を大学主催で夏休みなどに実施してかなりの実績をあげています。公認会計士の試験に本校のOBが毎年5人くらい合格しています。

明治大学の直系付属校ということで高大連携講座が設けられているそうですね。

明治大学の9つの学部からそれぞれ先生に来ていただいて週2時間の連続講座を高3全員が必修で受講します。高2終了時にはある程度自分の進路希望が決まってくるでしょうから、自分の志望に合わせた学部の講座を選択してくれると思います。
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