S.Yくん
S.Yくん(高校1年生)

桐朋中学高校

―桐朋というと「自由」「リベラル」というキーワードで語られますね。
  先生方や先輩の言葉の中に「リベラル」という言葉が登場することは、確かにしばしばあります。その言葉の意味を、ある先生は「他人との違いに寛容になり、自分と異なる他人の個性を大切にすること」と表現されていました。たしかにそんな雰囲気が桐朋にはあると思います。  進学校なので堅苦しいイメージがあるかも知れませんが、「堅さ」とは縁のない柔らかな雰囲気の学校ですね。部活も盛んですが、先輩―後輩の縦の関係もそれほど厳しくないです。

―どんな生徒でも受け入れるのが桐朋という学校のカラーなんですね。
  「合わないタイプ」というのはないのでしょうね。  はい、自由な校風ですから、どんな人が来ても苦労はしないと思います。タイプとしてもやんちゃ系、オタク系、体育会系などいろいろなタイプの生徒がいます。

―校訓というのはありますか?
  日頃、僕たちが先生から言われているのは「自主、勤労、敬愛」の三つです。運動会や文化祭は生徒主導で行うなど、「自分たちで考えて行動すること」をとても大切にしています。また、10月に「クラスの日」という行事があるのですが、これはクラスで行きたい場所を話し合って決めて一泊するというイベントです。この行事などは「自主」を大切にする桐朋ならではの行事だと思います。  「勤労」については、奉仕活動や掃除などの時間数が多いということではありません。「学校や家庭において自分も進んで働く、仕事をするという生活態度を身につけることが桐朋の目指す勤労の意味だよ」と担任の先生がおっしゃってました。

―校則は緩やかなようですね。  
  そうですね、通学カバンは自由ですし、服装についてもよほど乱れていなければ注意は受けません。そもそも極端に制服を着崩す生徒もいませんし。ただし髪を金や銀に染めると指導は受けます。

―部活動は盛んですか? 強い部活動は何がありますか? 時間割 
  ほとんどの生徒が部活に入っていて、たぶん中学生だと入っている率は9割以上だと思います。また盛んなだけでなく、強い部も結構あって、バスケット部はインターハイに出場したこともありますし、水球・体操・卓球などは関東大会レベルです。  広いグラウンドがあり、伸び伸び行える野球部とサッカー部は魅力的だと思います。文化系でも活躍している部は多く、例えば囲碁将棋部は全国でも上位に入るかなりの強豪です。

―桐朋ならではの特徴のあるカリキュラムはありますか。
  英語に力を入れています。授業時間も多く、「英語総合」のほかに、長文読解を学ぶための「英語演習」、そしてこの文法と作文を学ぶ「文作」という授業があります。

―進級・落第の基準をもし知っていたら教えてください。
 具体的な進学の基準は分かりませんが、中学から高校に進むときに、毎年1・2名、他の高校に行く人がいるようです。ただ学校にも来なくなってしまうような人やかなり素行などにも問題がある人ばかりのようなので、成績だけで高校に進めない、ということはないのではないでしょうか。

―塾や予備校にはどの程度の割合の人が通っていますか?
  中学生のうちは1割程度、高校1年生で3〜4割だと思います。高3になると大半の人は塾や予備校に通っています。

 ―東大の合格者数がこのところ減っています。生徒諸君の受けとめ方はどうですか。
  そうですね、雑誌などでランキングが出ていますので、僕らも数字の変化は知っています。悔しくないか、といったらそれは悔しいですけど、学校の空気は余りナーバスにはなっていません。むしろOBの先輩方のほうが心配しているようですね。

―君の将来の夢を教えてください。
  まだはっきり決めていませんが、読書や文章を書くことが好きなので、新聞社とか出版社などのマスコミや出版関係で仕事ができたらいいな、と思っています。

―最後に、桐朋を目指す受験生にメッセージをお願いします。
 桐朋は自由な校風の中で、のびのびと自分の打ち込みたいことを探求できる学校です。先生方も生徒も愛校心が強く、自分の学校を悪く言う人はひとりもいません。授業の質も高く、目先の受験対策だけでなくその教科の深い部分まで教えてくれます。自信を持って受験生に勧められる学校です。僕は模試の判定は最後まで50%を越えられませんでしたが無事に合格できました。「受かりたい」という強い気持ちを捨てずに頑張ってください。

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