桐朋中学校 (東京都国立市) 学校探検
名門復活へ!―進路・入試―

直線で100m走のできる300mトラック+バレーボールコート6面、さらにサッカーの公式試合が行える東グラウンドと両翼90mの野球場がある西グラウンドの2つのグラウンドを持つ。日照時間の少ない冬期でも安全に練習が行えるように照明設備も整っており、都心の学校はとても望むべくも無い環境が整っている。
―今春(2008年)の大学合格状況はいかがでしたか。

東大32名、京大5名、国公立の医学部17名など国公立大へ合計158名で現役は77名です。私立は早稲田124名、慶應92名、私立大の医学部に27名でした。

―90年代初めには東大に60名ほど合格者を出されていたのですが、最近の5年間では43→29→32→24→32名となっています。もちろん東大合格者数が全てではないのですが、「西の雄」桐朋にもう一頑張りしてほしいという声も聞きます。このあたりは校内ではどう分析されているのでしょうか。

危機感もなくはないですが、本校は「何がなんでも東大、東大」と尻はたたかないです。先程の「自主」と関連するのですが生徒の希望をまず重視しますから。ですから東大を希望する生徒が多ければ40名以上の結果も出てくるわけです。

―高校からのクラス編成でコース分けはなされていないようですが。

HRは文系・理系混在です。いろいろな個性を持った生徒を一緒に育てようという趣旨です。受験に向けては選択授業で対応しています。高1は少しですが高2から数学・理科・社会で選択授業がはじまり、高3ではほとんどが選択となります。

リベラルな気風の桐朋。「行事は生徒が創る」 中学1年春の遠足から高校2年秋の修学旅行まで、基本的な枠組みは前年を継承しつつも、全ての行事が生徒の委員会を中心に企画され実行されていく。クライマックスは桐朋祭。テーマを掲げ、垂れ幕を描き、大きな盛り上がりを見せる。

―中学から高校への内部進学の基準について教えて下さい。

学校長の推薦によりほとんどの生徒が進学できます。ただ学習面・生活面で高校生活に著しい困難がある場合には推薦できないこともあります。

―高校へ進学せずに外部に出る生徒はどのくらいいますか。

過去に海外の学校に進む場合や部活動が全国レベルの生徒でその部活の盛んな高校に進んだ例がありますが、毎年1,2名です。

―授業についていけない場合の補習あるいは休み中の講習について教えて下さい。

英語は定期試験の結果で早朝補習があります。数学も小テストで合格点を取れないと昼休みや放課後に呼びます。夏休みも補習を組むことはありますが、講習という形は高校になってからです。

―中学・高校で塾や予備校に通っている生徒の割合はどのくらいですか。

中学ではほとんど通っていませんが、逆に高2・高3になると受験科目に絞って何らかの形で多くの生徒が予備校を利用しているようです。

取材に応じてくださった教務主任の村野先生。普段は数学を指導し教壇に立たれている。オリジナル教材を使い、工夫したカリキュラムで生徒のやる気を引き出す人気の先生。

―今春(2008)の中学入試の状況はいかがでしたか。

出願者数657名、受験者数646名、合格発表数210名、実質倍率3.1倍で、ほぼ昨年と同様でした。

―最後に受験生に一言お願いします。

豊かな環境の中で自分のやりたいことができる学校だと思います。大学に進んだ後も「桐朋で一緒に学んだ頃の友人が一生の友人になった」と振り返る卒業生を数多く知っています。桐朋の“自主・自由”の校風をいいなあと思う受験生諸君、是非、受験して下さい。


<取材を終えて>
“三多摩の名門”桐朋は、JR中央線「国立」駅から大学通りを徒歩15分、武蔵野の緑に囲まれた広い敷地の中にあります。お忙しい中、中学教務主任の村野英治先生にお時間をいただきお話を伺いました。先生ご自身は数学を担当されていて数学だけは先取り授業を行っているものの全ての教科で基礎・基本を重視し、オリジナルの教材や工夫されたカリキュラムでレベルの高い授業が行われているとのこと。またクラブ活動も盛んで中学では90%以上の参加率で、伝統に裏付けられた“自主の精神”が学習面・生活面すみずみまで浸透していることを強く感じました。

 ■学校データ
〈住所〉東京都国立市中3-1-10
〈TEL〉 042-577-2171
〈生徒数〉男子841名(2008年度)
〈最寄り駅〉JR中央線「国立」歩15分、JR南武線「谷保」歩15分
〈URL〉http://www.toho.ed.jp
〈試験日〉2月1日
〈選抜方法〉国算理社(国算各50分各100点、理社各30分各60分)―2008年度―
〈難易度〉61(四谷大塚80%)、62(日能研R4) ―同上―
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