吉祥女子中学校 (東京都武蔵野市) 学校探検
芸術系に強い進学校!

最寄り駅はJR中央線「西荻窪」。駅周辺には、アンティークショップやお洒落な雑貨店が立ち並ぶ若者に人気の街。駅から歩8分の本校は、閑静な住宅街の一角にある。

―まず、御校の沿革と建学の精神について教えて下さい。

昭和13年創立ですので今年で68周年となります。創立者は帝国書院を創設しました守屋荒美雄先生です。開校目前の2月に亡くなりましたので、その後、東大教授・上智大学長などをつとめた御長男の守屋美賀雄先生が受け継がれました。本校では荒美雄先生を創立者、美賀雄先生を設立者と呼んでいます。建学の精神は「社会に貢献する自立した女性の育成」で、その精神は本校教育の核となっています。

―4年前までは高校(普通コース)の募集を行っていましたが、今回完全な中高一貫教育を取り入れられたのはなぜでしょうか。

完全一貫になるまで四半世紀・25年かかっているのですが、草創期から最終的には中高一貫にしたいという夢を先輩の先生たち皆さん持っていたようです。小学校もつくりたいという話もあったくらいです。子供たちを成長のプロセスも見、6年間責任を持って育てたい、というのが一つの理由です。もう一つは、だんだん中学のクラスも増えてきましたので、カリキュラムが二本立てになったり、高校から入った生徒に補習をしたりで、高校から入った生徒が勉強勉強と押しまくられていた事実があるんですね。7月20日過ぎから8月の初めまで補習が入るとか。そうであれば、おかげさまで中学の評価も高まってきましたので、完全一貫に踏み切ろうということになりました。完全に高校を閉じるということは、公立中学から高校を目指す生徒に対して門戸を閉ざしてしまい申し訳ないのですが、やはり6年間じっくり育てたいということと、カリキュラムで無理が出たという理由で、完全一貫にいたしました。

2003年の創立65周年の折り、新本館校舎が竣工。女子校にふさわしい、明るく快適な施設設備が整っている。

―昨春、東京芸術大学に4名の合格者が出ていますが、芸術を目指す生徒と一貫教育についてはどのようにお考えですか。

現在の中3から中高完全一貫カリキュラムになりますが、高2から芸術系という類型を設けます。音楽は英才教育・幼児教育ということで小さい頃からやっている場合が多いですが、美術というのは必ずしもそうではないですね。音大を目指す生徒が力をつけるのはもちろんですが、実際、吉祥中から入ってきちんと力をつけて難関である芸大・美大・音大の壁を突破する生徒が多くなってきています。そうであれば高2からの芸術系の授業と、他にも課外授業で「ピアノ」「声楽」「中学美術」「高校造形」なども選択できますので、そういった形で少し体制を整えていけば、芸術教育の伝統も損なうことなく中高一貫とうまく両方が一つになった形ができるのではないかと考えております。

―文化祭の美術の作品を見てあまりに皆上手でびっくりしてしまって、入学してからの自信がないと悩んでいる生徒がいたのですが。

美術作品に限らないと思いますが、例えば職業に関するレポートとか、大学・学部・学科レポートなどを作るときには、今はビジュアルにまとめる指導とか、理科などではプレゼンのやり方も工夫をします。そういうものをお互いが見るんですね。小学校ではそんなことやったこともないし、周りに作ってる子もいない。それが本校に入学してノウハウとかこういう風に作るんだよと示したりアドバイスしたり、あるいは子供が成長するにつれて、高い水準を越えるレベルで書けたり製作できたりするのだと思います。ちょっとした環境とかきっかけを与えられれば伸びる子たちにとっては、やはりその集団の中で刺激を受けてステップアップするというのがあると思います。

広報部長の萩原茂先生。教育内容・学校生活・クラブ活動など、率直に、時にユーモアを織り交ぜ、お話いただきました。

―国際交流も積極的になさってらっしゃいますね

今、海外に姉妹校が5つあります。アメリカ、カナダ、オーストラリア、中国、韓国。一番メインに交流しているのはカナダです。中3のほぼ全員がカナダへ語学体験ツアーに行きます。8泊9日で費用は25万円前後です。オーストラリアは夏に、中国は春休みに希望者25〜30名規模で、姉妹校訪問を兼ねた研修ツアーがあります。いずれも姉妹校がありますので同世代の生徒たちと交流して、昔は文通だったのですが、今はメールでやり取りをしている生徒が多いです。それと1年留学のシステムがあって、毎年10名弱が行っています。事前にテストを受けてクリアーすると高1で行って高2で戻ってくるシステムになっています。また、カナダとオーストラリアからは毎年何名か短期の留学生を受け入れています。

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