世田谷学園中学校 (東京都世田谷区) | 学校探検 | ||||||
建学の精神とこころの教育
本校は文禄元(1592)年に曹洞宗吉祥寺の学寮として創設されたのが始まりです。ご存知のとおり曹洞宗の精神に基づく人間形成、教育を行っています。 教育理念は「Think&Share」。これは釈尊の言葉「天上天下唯我独尊」を国際的に通用する言葉として英訳したものです。 「Think」とは知識を深め、学問を極めることの楽しさを知り、多くの体験をすることによって生徒が自分自身の価値を知り、自己を確立していくことです。「Share」とはそこから得た知識や力を正しい倫理観のもと、「分かち合う」ことで、社会に貢献することを表しています。 勉強の当面のゴールは目標の大学に合格することになるでしょうが、その目標も常に上を目指して、満足してしまわないように日々指導しています。一生懸命取り組むことで他の生徒の懸命さも分かり、目標を高めることで次の目標が見えてくると考えています。つまり、満足してしまうと力は失われてしまうと思っています。 生徒は束縛されているとは感じていませんし、後で世田谷学園での生活を振り返った時に全力を尽くしたと思えるように努めています。
―心のケアについての取り組みはずいぶん熱心にされていると聞きますが。 はい、本校では約30年前から取り組んでいます。3名のスクールカウンセラーがいて必ず1人は常駐しています。いろいろな悩みを抱える年頃のお子さんをお預かりしているわけですから、生徒の悩みや相談事にすぐに対応できるようにしています。もちろん自由に悩みなどを相談できるのですが、中学1年生に関しては最初に順番に全員と会うようにしています。 相談の内容は進路・進学に関することよりも人間関係の相談が多いようですね。相談の内容は原則として担任の先生を含めて他人には話しません。ただし、明らかに担任を通した方が速やかに解決できる事柄に関しては連絡し合うようにしています。また、直接家庭に話をする場合もありますし、事柄によっては専門の機関を紹介する場合もあります。臨機応変に対応しています。
―宗教教育についてはどのように取り入れていますか? まず朝の坐禅があります。金曜日の午前7時から40分間で、希望者が対象になります。年度の初めは希望者が多く、金曜日と土曜日に分けて行っています。年間皆勤の生徒は60名ほど、中学1年生で年間を通して参加する生徒は半数程度になります。 また、毎年12月1日から1週間、午前7時からの早朝坐禅があります。これは禅堂と体育館で行い、全校生徒1,400名のうち450名ほどが参加します。これは年々増えています。また、全体の3分の1の先生も参加しています。坐禅中は何も考えないようにするのですが、これが難しく、逆に集中力を高める訓練になります。「普段集中力がない子がよく頑張るなぁ」と思うこともありますね(笑)。終わった後は気持ちが良いという感想がほとんどです。 宗教教育を掲げている学校は他校もそうだと思いますが、日々の学校生活全般が宗教教育につながるものと思っています。もちろん、さまざまな宗教行事はありますが、むしろ日常の学校生活の中で、宗教に接することの方が大きなウエートを占めていると思っていただいて良いと思います。 ―保護者会の評判がとても良いですが、どんな工夫がありますか。 ありがとうございます。パワーポイント・ビデオなどを使用し、学校生活の実態がわかるように工夫しています。臨場感が安心感にもつながると考えています。また、こちらからご家庭にお願いしたいことなども伝えるようにしています。 お母さんから「子供が学校のことを話してくれない」という戸惑いの声が多いようです。その部分もしっかり伝えて、安心感につながるようにしています。 |
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