浦和明の星女子 (さいたま市緑区) 学校探検
キリスト教的人間観・価値観

中庭と校舎。キャンパスは全体的に緑豊かで、都心の学校には望めない環境。
―聖母被昇天修道会が母体ですね

 ええ、カナダにある修道会です。聖母被昇天というのは皆さんがご存知の言葉で申し上げると聖母マリアのことです。「聖母被昇天」がつく名前の学校は全国にいくつかあるようです。カナダからスタートして世界中に学校を設立しました。
 十分に教育を受ける機会がないいわば「僻地」に、良い教育を施したい、ということが基本理念でして、わが国でもまず青森に開校しました。その後、関東地区のキリスト教関係の方からこちらにも作りませんかというお誘いがありまして、昭和42年にこの地に開校しました。

―今日も、校門から受付まで来る間、何人かの生徒さんとすれ違ったのですが、皆さん明るく挨拶をしてくれました

 中学を開校するに当たって、当校が生徒たちに何を伝えねばいけないかをを考えたとき、基本的なマナーとか生活習慣ですとか、ご家庭がそのあたりの教育をかなり期待しているのが非常に強く感じました。そういう意味では、中学の担任がきちんとその教育をやってくれている証しでしょうね。挨拶やマナーは、一番心を砕いていることの一つです。

修道院のチャペル。クリスマスのミサは一般の方の参列も可

―宗教教育について教えてください

 週33単位の中に1単位は聖書の時間はあり、これは6年間続きます。ただ、学校の中で信者育成などを考えてはいません。基本的にはキリスト教的な価値観で物事を考えていこう、ということですから、言わばキリスト教をバックボーンとした「生き方の授業」という捉え方をしていただければいいかと思います。

―年間での宗教行事についてはどうなっていますか
 
 まず、中1で入学した後にオリエンテーションを目的とした宿泊研修があります。これは軽井沢の「恵みシャレー」という教会にお邪魔しています。そこで校長先生のお話を聞いたり、ミサをしたり、ということをしています。
 それから年間必ず一回、「修養会」という行事を設けています。これは神父さんにおいでいただいて、お話を聞いて、それに基づいて小グループに分かれて感じたこと・思ったことを話し合うという行事です。
 そして、クリスマスですね。当校のクリスマス行事の大きな柱の一つになっているのは「チャリティ」の理念です。毎年ホールでまずキリストの誕生を祝う式典を行い、その後クラス単位に分かれてボランティア活動をします。
 実際に生徒たちが校外に出て行って施設を訪ねて交流を持ったり、募金活動をしたりすることもありますし、まずは生徒に何をやるかを決めさせています。身近なところでは通学路の清掃をしたり、校内の清掃をする、ということもあります。

キリスト生誕の場面の活人画を演じる生徒。この後、クリスマス行事は、キャンドルサービスを経てハレルヤの合唱とクライマックスを迎える

―全校生徒でのハレルヤの合唱が素晴らしいという声をよく聞きます

 ええ、これは本当に圧巻です。鳥肌が立つほど、などと形容してくださる方もいます。キリストの生誕の場面を活人画で演じ、キャンドルサービスをして最後にハレルヤの合唱を行って式典が終わります。学校のクリスマス行事は非公開なのでお見せできないのが残念なのですが、修道院の教会のミサがありまして、そちらは一般の方にもオープンにしています。

―在校生の宗教については全く把握されていないとか

 はい、そのような調査も行いませんし。もちろん、入試でクリスチャンかどうかは分かりようもありませんし、全く影響はありません。クリスチャンだからと言って教会推薦のようなものも一切ありません。


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