浦和明の星女子 (さいたま市緑区) 学校探検
学園生活

一年中泳げる温水プール。水泳部はさいたま市の大会で上位に入賞するなど活躍しています
―進級基準について教えてください
 
 中学から高校へあがるときについては、基本的には全員進級させようとは思っています。その段階において、話し合いが必要なお子さんが出てきた場合、その子にとって一番良い方向を探るためにじっくりと本人・ご父母・学校の三者で探っていきます。単に成績が足りないから退学や放校というわけではもちろんありません。他の学校に行くのがその生徒にとって一番良いのならそのようにします。
 高1から高2、高2から高3も同じですね。もちろん、第一義的には必要な単位数が取れているかどうか、ですが、単位が足りなかったら即留年かというとそうではないですね。また逆に言えば、留年を絶対に避けるのではなく、今後の本人の人生にとって原級留置が最善と判断したらそれを選びましょう、という、そういう発想ですね。

―校則はいかがですか
 
 そもそも学校というのは勉強をすべきところであり、本来質素なところであるわけですから、それに則って、常識的な範囲で決めています。髪の毛も自然のまま、スカートも自然のまま。つまり、地の色が何色であろうと、自然のままならOKですし、スカート丈も「何cm」などという細かな規定はなくて、「買ったときのまま着ましょうね」ということです。携帯電話は原則禁止で、例外的に届出制です。アルバイトも届出制です。一律禁止ではなく、まあ平日にアルバイトというと学業への悪影響が出ますから避けたいところですが、冬休みに郵便局のお手伝いなどの例は良くあります。一言で申し上げれば、何事においても一律に良いとか駄目とか判断せず、まずは事情を良く聞いて判断する、と言うことでしょうね。

文化祭やクリスマス等の学校行事が行われるジュピリホール。毎月の合同集会の場でもある

―部活動は盛んなようですね
 
 ええ、加入率は高いです。でもうちの部活は「勝つこと」を目標にはしていないので、対外的な成績はパッとしません。(笑) テニス部だけはなかなか頑張っていて、関東大会などにも出場できそうな生徒がいるようです。全体的に和やかにやっています。(笑) 楽しんでやっている、と言う意味では活発です。
 文化系では、グリー部が人気です。これは合唱、言わばコーラス部のことなんですが。
 明の星というのは「歌」を大事にしている学校なんです。いつでも「歌」が聞こえてくる、と言いましょうか。

―土曜日の扱いはどうなさっていますか

 月一回、「自主の日」という自主当校日を設けています。部活動や、家で勉強すると気が散ってしまうので学校で勉強をしたい、というような生徒が届出をして登校します。 

今回取材の応対をしてくださった広報部長の小磯先生。英語科の先生として教壇に立つと同時に広報関係の要職をこなしていらっしゃいます
―面接試験を取り入れる予定は

 是非やりたいと思っています。気持ちだけは(笑)。一人ひとりを大切にする、一人ひとりをきちんと見る、という本校の理念からすれば是非行いたいのです。でも、実際はこれだけ受験してくださると、時間的・物理的に厳しいです。たとえ高校の入試がなくなったとしてもすぐには実現はできません。今後の検討課題ですね。
 
―指定校推薦ですが、早慶というどれぐらいの基準になりますか

 概ね4.0以上ですね。「明の星でその評価は大変ですね」とおっしゃいますが、あくまでも絶対評価ですから、頑張れば大丈夫ですよ。その評定の基準をクリアし、かつ人物的に優れた、という条件になります。

―進路指導で何か心がけていることはありますか

 特進クラスは設けていませんしコース別でもありません。ですから、何もやっていないと言えば何もやってません(笑)。もし生徒が就職をしたい、と言えば、「よし分かった。一緒に頑張ろうね」と、本気でそういうことを言う学校です。
 ただ、その中で心がけているのは、進路指導はあくまでも「進路」指導であり、「進学」指導ではない、と捉えています。つまり「大きな眼で見させよう」というような。
 もちろん、あれだけの生徒たちですから、当然大学ありき、です。その子達に、「君の行きたい大学は本当にそれで良いの?」というような揺さぶりをかけると言いますかね、将来のやりたい職業選択から遡って、もう一度考えさせる、と言いますか、そんなことはしていますね。偏差値を尺度とした大学選びと逆と言えば逆ですが、それが当校の伝統といえます。
 カリキュラムの特徴としては、高校2年生・3年生になると、週の授業数の半分以上は選択科目です。そういう意味では、コース制は採っていませんが、コース制と同等かそれ以上のきめ細やかさはあると自負しています。

―本日はどうもありがとうございました

取材を終えて

上位校・難関校と呼ばれる学校を訪問して感じるのは、その学校に対する強い自信と自負。今回お話をしてくださった小磯先生も、終始控えめながら、明の星の教育に対する静かな自信を感じました。「一人ひとりの命を輝かせるために」という言葉がこの学校の目指す教育を端的に物語っていると思います。小磯先生、校務ご多忙の中、ありがとうございました。
 
 ■学校データ
〈住所〉埼玉県さいたま市緑区東浦和6-4-19
〈TEL〉048-873-1160
〈生徒数〉女子 255名(中1・中2)
〈最寄り駅〉JR武蔵野線「東浦和」歩8分
〈URL〉http://www.urawa-akenohoshi.ed.jp
〈試験日〉第1回目 1月14日(100名) 第2回目 2月4日(20名)
〈選抜方法〉国算理社(国算各50分各100点、理社計50分各50点) 面接なし
〈難易度〉@65(四谷大塚80%)、63(日能研R4) A62(四谷大塚80%)、61(日能研R4)
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