桐朋女子中学校 (東京都調布市) 学校探検
学園生活−考える力を養うレポート−

中3の5月に行われる地学巡検の様子。三浦半島先端の剣崎で断層の観察や調査を行う。座学だけではなく、各科目で積極的にフィールドワークを取り入れているのも桐朋女子の特徴。
―クラブ活動は中高合同ですか。

基本的には中高合同の活動をしていますが、体格の違いなどとも関わって、日々の練習は別々に行っているクラブもあるということです。例えばダンス部では最上級生の高校2年生はそれぞれ自分が指導を担当する下級生を持っていて、特に6月から入部する中学1年生を9月末の文化祭に向けて発表できるまでに育てるというのが大事な仕事です。中高一貫の特色を生かし、縦にも横にもつながりながらクラブ活動も行われています。

―生徒の参加率はどのくらいですか。

中1は96〜97%で、中3で少し下がり、高2で50〜60%くらいです。

―週5日制とうかがっていますが、土曜日は部活動が中心でしょうか。

クラブ活動以外にも、高1まではこの指とまれとか寺子屋方式と呼んでいる、自主参加型の補講を行う教科があります。高2・高3では受験を意識した形で生徒たちが先生を見つけて授業を組んでもらうなど土曜日も自主的に活用されています。

桐朋学園短大のボロニアホール。中高の各種の式典で使われるほか、短大の演奏会などが行われる多目的ホール。ビデオプロジェクタ、16mm映写機が備えられている。

―体育祭と桐朋祭(文化祭)が二大行事ですね。

体育祭は学年対抗で一人一種目に出場します。中でも“団体徒手”は20人で行う体操で自分たちで振り付けも考えるのですが、誰もがその練習の厳しさや大変さが分かってますから、すべての生徒が心からの拍手をおくります。「華」のある競技種目と言えると思います。また生徒の意識と練習の成果によって学年が一つになる瞬間を見ていただくには“応援交歓”、あとは閉会式を見ていただきたいですね。9月の桐朋祭では高校3年生がどのクラスも舞台劇をします。一つのステージのために役割分担を決め、台本を作り上げて練習・準備を重ねていく過程に、集団として、個人として成長する場面がたくさんあると思います。

―校則について教えて下さい。

学校生活に必要な最低限のものしかありません。それは伝統的に生徒たちに考えさせ、生徒たちがルールを作り、生徒たちがそれを自分たちで守っていこうという意識を育てたいという伝統的な考えがあるからです。

―心のケアに関して、スクールカウンセラーは常駐ですか。

現在3人のスクールカウンセラーの先生が、ほぼ毎日カウンセラー室に詰めています。カウンセラーの先生を訪ねやすいように、カウンセラー室の開放日を設けるなどの工夫もしています。

八ヶ岳高原寮。74,374uのひろびろとした敷地,敷き坪1000坪を超える建物を誇る。校内行事の合宿(2008年度は高1の10月に実施)や夏の部活合宿に使用され、また在校生や卒業生とその家族にも開放されている。

―普段の授業で課されるレポートはかなり専門的であったり、工夫が必要なものだとうかがっているのですが。

本校では中学1年の5月の連休明けに初めてレポートを提出します。社会科のレポートで、テーマに沿って調べ方、まとめ方、意見の加え方などレポートの書き方を学びます。その後にあらゆる科目でレポートを課すことになります。例えば、理科では実験・観察のレポート、社会科・保健・家庭科では与えられたテーマに基づいて調べたり新聞記事を素材にしたレポートなど、段階を踏んで課題を出しますのでレポートを書くのが非常に上手くなってきます。

―習熟度別指導を行っているクラスの変更は学期ごとにあるのですか。

原則、ありません。中2から英語・数学が習熟度別クラスになりますが、まずは生徒の希望によってクラス分けをします。教師の側からアドバイスは行いますが、一方的にクラスを変更することはありません。

―通知表がないとうかがっていますが。

通知表を廃止したのは昭和45年頃からです。その代わりに教科担当者から学級担任に対して連絡票を送ります。各教科でいくつかの観点を立て観点ごとに5段階ないし3段階で評価し、具体的に学習状況やその他のコメントを付します。学級担任は全ての教科をまとめて、個人面談を行います。そのやり取りの結果として生徒には次の学期の目標をしっかり持たせたいので、生徒にも学期の反省や面談の結果をノートにしっかり記録させ、それを保護者の方にも全てを把握していただいた上で担任との保護者面談を行っています。

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