桐朋女子中学校 (東京都調布市) | 学校探検 | ||||||||||||||||||||||||
入試・進路−桐朋教育は入試から始まる−
中高6ヵ年の教育のスタート、生徒との出会いの最初が入学試験です。筆記試験と口頭試問、特に口頭試問自体は10分程度なのですが、そのために事前の授業等の準備の作業があるわけです。結果的には入学試験を受けに来て何か新しいものを発見して帰ってほしい、まさに入学試験が桐朋で行う教育の第一歩と位置づけられます。 ―合否判定の上で筆記試験と口頭試問のバランスはどうなっていますか。 合否の決定は筆記試験と口頭試問の総合判断で行っています。 ―現在は2月1日の一日で筆記試験と口頭試問が実施されていますね。 実は以前に、ある私立中学・高校フェアで昔の三日間入試について「これだけ中学受験が盛んになっている時代に、3日間私どもの学校に拘束してしまうと桐朋女子の受験は敬遠されてしまいますね」と気軽に言ったのですが、相談にみえた方から「桐朋女子の教育内容を本当に理解してくれる人ならば3日間でも受験するのではないですか」と真顔で言っていただき身の引き締まる思いをしたことがあります。しかしながら、桐朋女子は受験しづらいと敬遠されることはやはり私どもにとってもあまりありがたくないことですから、受験生にとって受けやすくわかりやすい受験にしようと一大決心をしました。平成3年から二日間の入試に、平成16年からは一日のみで国語・算数の筆記試験と2種類の口頭試問に、平成20年度入試では口頭試問を1つにしました。
―桐朋女子といえば口頭試問というほどシンボル化されていますが、その狙いはどこにありますか。 口頭試問では受験生に同じスタートラインに立ってもらうために事前の授業や準備の作業が必要になります。そして口頭試問では「今の授業はわかりましたか」という挨拶から始まって、「あの問題あなたはどう考えましたか」と内容を確かめ、「でも、どうしてそう考えたのか話してくれますか」と答えが合っている場合も間違えている場合も尋ねます。そうすると筋道立てて考えて答えに辿り着いた様子がわかります。また間違えた場合には受験生が途中で気がつくんですね。口頭試問では正答を得ることも大切なことですが、間違えたときにも気がついて、その後ちゃんと理解ができて筋道立てて考え訂正できた、ということも大切なことだと考えています。口頭試問では理解力もさることながら、それをまとめたり表現したりする力・考える力などを見いだすことを大切に、また受験生とのやり取りから個性的な特性も見いだしたいと考えています。 ―進路について教えて下さい。 私どもは生徒たちがどう考えてどういった進路を目指すかということを、生徒自身の中から現れてくるように指導したいと考えています。生徒が自分でつかんだ目標ができたら、それが実現できるように力を注ぎたいというのが私どもの進路指導の基本です。ですから進路はさまざまな分野に分かれています。例えば今春の現役生の分野別進学者数では、4年制大学合計214名の内、文系151名、理系37名(内、医歯薬系9名)、芸術系・体育系26名となっています。
―早慶上智に現浪合わせて76名合格していますが、上位校の実績をほとんど帰国生がかせいでいるという噂を聞いたことがあるのですが本当ですか。 いいえ、そういうことはありません。6ヵ年一貫教育の桐朋女子の環境の中で、自らを育て、自立した一人ひとりが夢や目標、自らの生き方を実現するために果敢に挑戦した結果だと受けとめています。 ―早慶上智の指定校推薦の人数を教えて下さい。 早稲田は毎年のように変わりますが、2008年度は法学部1、文化構想学部1、人間科学部1でした。慶應は法学部1、上智は法学部1、外国語学部1です。2008年度は4年制大学で88大学、短期大学で28短大から指定校推薦をいただいています。 ―今春の中学入試の状況はいかがでしたか。 実受験者321名に対し合格者240名で倍率は1.34倍でした。新設の中学帰国特別入試では4名が合格しています。今春の中学入試では今まで2種類だった口頭試問を1種類にし、筆記試験の時間を40分から50分にしました。 ―最後に受験生に一言お願いします。 受験生の皆さんにお会いするのは、残念ながら入学試験を経てでなければかなわないのですが、桐朋女子の私たちはあなたとお会いしてあなたと一緒に勉強をスタートするのをとても楽しみにしています。桐朋女子に、ぜひ一度来てみてください。肌で学校の空気を感じてください。きっと気にいってもらえる学校です。 取材を終えて 取材させていただいた日は体育祭が終わった後で、ロビーのパネルに貼られた体育祭の写真を見せていただきながら、準備から当日までの様子をうかがいました。写真からも生徒たちの明るさや女子校とは思えない盛り上り・エネルギーを感じました。取材では、受験生にとって関心の高い「口頭試問」などについて具体的にお聞きすることができました。教務主任の河原勇人先生にはお忙しい中にもかかわらず、長時間にわたりご協力いただきまして本当にありがとうございました。
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