サレジオ学院 (横浜市都筑区) 学校探検
学園生活−生徒と先生の距離の近さが特色−

1960年に目黒に開校したサレジオ学院。75年に川崎市に移転、手狭になったとの理由で95年に現在の都筑区に新校舎を構えた。明るい校舎と現代的なフォルムは憧れの的。
―少人数制を貫いていますね。

そうですね、160名募集で実入学者数が180名前後ですから、少人数といえるでしょう。もともと鷺沼にいた頃は1学年3クラス体制でした。それを4クラス体制に変えるとき、校内でもだいぶ議論がありました。

―3クラスから4クラスに変える時に議論があったのですか。すごいですね。これは一人ひとりをきちんと見てあげたい、という学校側の気持ちの表れ、と理解していいのでしょうか。

ええ、かなり一人ひとりを丁寧に見ていると思います。教師も担任・副担任だけではなく、科目担当の教師も一緒になって言わばチームで見ていく感じです。職員室の中での先生同士のコミュニケーションも密だと思いますね。「あの生徒、最近元気ないけどどうしたんだろう」とか。


目黒碑文谷のサレジオ教会で行われたミサの様子。宗教を基本とした心の教育・情操教育に重きを置いてはいるが、布教のためではなく宗教をきっかけに「どう生きるべきか」を考えてもらおう、という目的だという。

―先生と生徒の距離が近い、と。

はい、近いと思います。また心理的距離、ということで言えば、家庭と学校の距離も、そして家庭同士の距離も近いです。
当校には「聖書研究会」とか「キルトの会」とか合唱等のお父さん、お母さんのためのサークルもあり、保護者の皆さんに学校に足を運んでいただく機会も多いと思います。誤解のないように申し上げますが、今言ったサークルはもちろん強制ではない、任意のもので、参加率は1/4程度です。
その集まりに参加されるご父母同士で親交が深まります。つまり上級学年のお父さんから例えば新入生のお父さんへ、あるいは高校生のお母さんから中学生のお母さんへ、アドバイスがある。そのアドバイスは、例えば校内行事のことであったり、あるいは「そんなのは放っておけば自然におさまりますよ」みたいな、子育て一般のことであったり。そこで自然に共同体意識といいますか仲間意識が醸成されるようなところがあります。

―文化祭での「オヤジの焼き鳥」が有名ですね。

はい、有名です(笑)。半分以上冗談でしょうけど、「オヤジの焼き鳥をやりたいから子供を入れた」みたいなことを言うお父さんもいるくらいです。

―部活は盛んですか。

中学の場合は、火・木・土の3日間と決められています。それ以外に日曜日に練習試合が入ったりしますが。参加率は今年の調査で中学校で99%、高校で約7割です。活動自体は運動部は中高別々、文化系は合同です。運動部の中ではテニスが強いですね。全国中学校大会で二年連続優勝した強豪です。中学生だけで130名くらい在籍しています。文化系で人気なのは吹奏楽部、自然科学部などでしょうか。また将棋の森内俊之第十八世永世名人が本校の卒業生で、文化祭のときなど、訪れて多面指し(同時に何人もの相手をすること)をされたことがありました。


校舎敷地は48,000平方メートルにおよぶ。大学や小学校などを持たずに中高だけでこれだけの敷地を持つ学校はそう多くはない。訪れた日は中学生が体育の授業で野球に興じていた。

―校則は厳しいですか。

私たちからするとみな当たり前のことですが、「自由」というキーワードで表現できるような学校ではないですね。極端な校則はないですが、あまりに長すぎる髪や染めた髪というのは認めていません。キリスト教の真理を追究する中である程度最低限の規律は求められる、と思います。

―横浜市営地下鉄のグリーンラインが開通して、アクセスは飛躍的に向上しました。

ええ、それはもう。ただ、便利になったというのは逆に言えば東京にも出やすくなった、ということですから、本校にとっては、新線の開通がプラスだけになるわけではないでしょう。この学校の近辺にお住まいのお子さんたちも都心方面に行きやすくなりました。そういう意味では、やはり魅力ある学校づくりを続けていかねばならない、と思っています。以前に比べると町田方面からの入学生は若干増えている感じはします。また湘南方面からは圧倒的に通いやすくなりましたね。




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