学習院女子中等科 (東京都新宿区) 学校探検
バランス重視 のびのびキャンパスライフ

文化祭は「八重桜祭」という名称で11月に行われる。文化部やクラス・有志団体等が日頃の活動の成果を発表する。写真は仕舞部の発表の様子。ちなみに「八重桜」は同校のシンボルマークで、セーラー服の胸当てにも刺繍されている。
―クラブ活動は中高合同ですか。

 文化部はほとんどが合同です。運動部でチームで行う競技は練習日を重ねたり、一部、分けたりしますが、個人競技は合同練習が多いようです。

―特色のあるクラブについて教えて下さい。

 実績をあげているのはブロックフレーテアンサンブル部で、中高とも全国大会で金賞あるいは銀賞をとっています。珍しいクラブとしては、日舞部や仕舞部が、人気のあるクラブとしては、アニメ・マンガ研究部があります。運動部は女子サッカーを除いて、ほとんどの種類のクラブがあります。文化部にしても運動部にしても、学習院大学に進んだOG達が積極的にコーチとして指導してくれています。

―クラブ活動の参加率はどのくらいですか。

 中1では約93%の生徒がクラブ活動に参加しています。継続率は高く、高等科でも参加率は90%を少し下回るくらいです。

―文化祭について教えて下さい。

 八重桜祭と呼んでいます。中1から高3まで全員参加で何らかの仕事・委員などにつきます。入場者も8,000人を超える規模になっています。もちろん文化祭ですから、体育館で行われる演劇・ダンス・日舞・仕舞など文化部の公演が中心ですが、生徒会にあたる総務委員会が自発的に作った学校紹介コースも好評です。受験生・保護者の方と一緒に校内を歩き各施設などの説明をします。

「その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につける」ことを教育方針として掲げている。写真は作法の授業の様子。道徳の授業の一貫として専門の講師による指導を行っている。

―体育祭は中高合同でしょうか。

 合同で学年対抗です。ハンデをつけますから中等科にもチャンスがあるのですが、今年は高3が優勝しました。

―修学旅行はどちらに行かれますか。

 中等科は3泊4日で山陽方面へ、広島・宮島・姫路城なども訪れます。歴史教育・平和教育が中心です。高等科は4泊5日で京都・奈良に行きます。関連する文学・歴史など学んだものをノートにまとめ、十分な事前学習もいたします。

―その他の学校行事について教えてください。

 夏期の海外研修旅行として、イギリスのイートン校で行われる3週間の語学研修があります。中3・高2・高3の希望者で20名の生徒が参加します。費用は70〜80万円です。また、オーストラリアにあるメソディスト・レディス・カレッジという姉妹校との間で交換のホームステイも行っています。さらに、中2で沼津臨海学校、高1で八ヶ岳林間学校があります。臨海学校では、教員・在校生・卒業生の助手の手厚い指導により、泳げなかった生徒も泳げるようになり、3分の2くらいの生徒が最終日に3kmの遠泳に挑戦します。1人でできないこともみんな一緒だったらできるという経験にもなって、行きと帰りとでは生徒の表情がだいぶ違います。

中2で沼津臨海学校、高1で八ヶ岳林間学校という宿泊行事が設けられている。写真は八ヶ岳林間学校の様子。長野県白樺湖近くのホテルに宿泊しながら登山や自然散策を楽しむ。

―男子部との交流はあるのでしょうか。

教職員の交流はよくあります。生徒同士ではあまり多くはありませんが、高等科になると筑波大附属高校との定期戦があります。これは全ての運動部の対抗戦で毎年6月に行われます。あとは学習院ジュニア・オーケストラという有志の団体があるのですが、ここでは初等科から高等科まで男女一緒に練習しています。また、個々のクラブ、たとえば剣道部では初等科から高等科まで一緒に合宿や寒稽古も行っています。

―校則は厳しいですか。

 校則とは言わずに“生徒心得”と言っていますが、自分を大切にする、人の役に立つことをする、…女子部生としてふさわしくない場所には立ち入らないなど、抽象的な内容であまり細かいものはもうけていません。生徒たちも自由な学校であるという認識は持っていると思います。ただ同時に、放任の自由ではなくて、自分の義務を果たさなければ自由もなくなってしまうということも自覚しているようです。先輩が後輩に「スカートの丈が少し短いわよ」などと注意をしたりということが自然に行われています。全体に先輩から後輩に受け継がれていて一つの文化となっています。「何も言わなくても分かってくれる」というところは、少し大人かなぁとも感じています。

―心のケアに関してスクールカウンセラーの先生はいらっしゃいますか。

 はい、常駐しています。もちろん完全に秘密は守られます。カウンセリングルームとは言わずにCAT(COME AND TALK)ルームと言って、気軽に利用できる雰囲気の中で
いろいろ相談を受けるケースが多いようです。本校はまた、生徒と主管の間が近い学校だと思います。1学年に複数の主管がいますので、直接の担任でなくても話しやすい主管に相談できることになっています。これも心のケアに役立っていると思います。


リストへ戻る前のページへ|2|次のページへ