学習院女子中等科 (東京都新宿区) | 学校探検 | ||||||||||||||||||||||||
入試・進路
学習院大学・学習院女子大学への進学が約7割、他大学への進学が3割という状況です。学習院大学への進学者のうち3分の2が法学部・経済学部に進んでいます。最近は学習院女子大学の英語に特化した学科が人気です。学習院大学への推薦権を保留しながら他大学を受験できる制度もありますので、他大学の推薦入試を受ける生徒も増えてきて、合格者は全体の1割くらいです。慶應・早稲田・上智・東京理科大など指定校推薦枠も増えてきました。推薦以外でも国公立大や私立大の医・歯・薬系に合格者が増えています。いろいろな意味で進学の選択肢の多い学校になってきています。 ―学習院大学・学習院女子大学への推薦の基準はどうなっていますか。 それほど高い基準ではありませんので、日常の勉強を普通にこなしていれば越えられます。 ―学部ごとに人数の枠が決まっているのでしょうか。 はい、大学の入学定員の3分の1と決まっています。現状は希望者より広い枠ですから、ほとんどの生徒が第1希望の学部に入れます。ただ学科単位では、年によって異なりますが、人気のある学科に希望が集中すると、2〜3名枠を超えてしまうこともあります。 ―学校側のお考えとして、他大学を受験する生徒を更に増やす方向なのでしょうか。 その点は全くの自由です。学校側の意図によってこちらを増やそうということはありません。進路についてちゃんと考えましょうという教育を中等科の後半からしています。高等科になると「進路ノート」を渡して学校を見に行ったときに記入させています。そういう中で、自分に合った学校を選びなさい、それが学習院大学であってもいいし、他大学でもいい、もし他大学に挑戦したいのであれば最大限サポートしましょうという考えです。 ―クラス替えはどの程度の頻度でありますか。 クラス替えは毎年あります。高2になると文系・理系である程度固定されます。 ―文系・理系の比率はどうなっていますか。 高2で3対2、高3で4対1くらいです。
―担任の先生(主管)は持ち上がりでしょうか。 基本的には3年間持ち上がりで、高等科でまた別の主管が入ることになります。 ―中等科から高等科へは全員が進学できるのですか。 基準は設けてありますが、ほぼ全員と考えて結構です。ただ、芸術系の学校に進みたいとか進路希望が変わってしまった場合には外部に進むことがあります。年度によって違いますが、平均すると年数名います。 ―夏休み中に補習や講習が行われますか。 制度としてはありませんが、必要に応じて担当の教科の教員が行うことがあります。夏休みの場合は平均して2、3教科で行われています。 ―塾通いは禁止ですか。 基本的には学校だけで十分対応できると考えていますが、禁止ではありません。中等科の場合いわゆる学習塾に通っている生徒はほとんどいないと思いますが、英会話であるとか必要に応じて個人指導や家庭教師がついている場合はあると思います。高等科になると他大学を受験する生徒は、夏期講習など受験対策として塾や予備校を利用することは多いようです。 ―来年度入試に関して、何か変更点はありますか。 特にありません。教科の出題傾向も大きく変わるということはありません。 ―国語の記述対策に関して何かアドバイスをいただけますか。 選択肢問題の正解を書くつもりで記述に臨まれるといいと思います。本校の問題は「あなたの考えを書け」とか「あなたの気持を書け」という問いではありません。普通に読解する問題ですから、聞かれていることに素直に答えて下さい。ただ形式が記述であるだけです。○×式ではありませんので部分点をたくさんあげられます。どちらかというと力を十分に出せるのではないかと思います。ただ慣れは必要ですから普段から書き慣れておく必要はあります。
―父母面接のねらいはどこにあるのでしょうか。 一つは、受験の基準である自宅から通えることを確認すること。もう一つは、入学する前に一度はお会いしておきたいということです。面接によって家柄を選別しているとかは一切ありません。実際のところ、合否にはほとんど関係ありません。 ―ご父母からは面接時の服装であるとか、メイクであるとか細かなことも気になるようなのですが。 常識的な服装で来ていただければと思います。 ―面接の形式は、受験生と保護者1名の同席ですね。 はい、時間も5,6分です。 ―現実に筆記試験で合格点に達していた受験生が、面接で不合格になる場合がありますか。 ありません。ただ、合否のボーダーラインに複数の受験生が並んだ場合に、補欠の順位を決めるときに面接の結果を考慮することはあります。 ―合否の判定で、ご父母や兄弟が学習院の出身であることは有利になりますか。 残念ながら有利になることはありません。解答用紙からして名前は書かずに受験番号のみですし、採点の時には受験番号さえ見えない状態で行っています。入試と合否判定は厳正に行われます。 ―重複出願の際の優遇措置について教えて下さい。 面接は1回でいいのですが、合否判定に関する優遇はありません。 ―今年度の場合、1回目不合格で2回目合格の生徒は何人くらいいましたか。 2回目の合格者の40%が、1回目も受験しています。 ―副都心線ができたことで、入学者の通学範囲に変化はありましたか。 若干、埼玉からの入学者が増えました。また、神奈川の上位校を併願している生徒も以前より増えています。 ―最後に受験生に一言お願いします。 (石出先生)今まで一生懸命勉強されてきたと思いますので、緊張せずに自分の実力を出して下さい。今まで支えてくれた周りの人たちに感謝の気持ちを持って臨むと、力を発揮できると思います。 (鈴木先生)長いこと努力してきた成果をこの一点に集約して、集中力を発揮して頑張ってほしいと思います。体調にも十分気をつけて受験に臨んで下さい。 −取材を終えて− 長い歴史と伝統を誇る学習院女子中等科・高等科は、地下鉄副都心線の西早稲田から歩3分と言う至便な場所にありながら、そのキャンパスは緑があふれ、自然に恵まれています。今回は在校生の学校生活や、入試・面接など受験生にとって関心の深い事柄について率直にお話をいただきました。「けっして当校は特殊な学校ではありません。ぜひ実際に足を運んでご覧になってください」と、繰り返しおっしゃっていたのが印象的でした。 ご多忙の中、お時間を割いてくださった石出先生・鈴木先生、本当にありがとうございました。
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