芝学園中・高 (東京都港区) | 学校探検 | ||||||||||||||||||||||||
学園生活
校則はけっして厳しくありません。細かい校則で生徒を縛ることはしていないです。大きな枠組みだけ示して、その中で生徒の自主性に任せています。先ほどの「遵法自治」につながりますが、「人から言われて決めるのではなく、真理にしたがって自分のことを決めなさい」というのが基本方針です。 それに芝の生徒はおっとりしているせいか、細かく縛らなくてもそんなには乱れない。というか、そんな目立つ格好をしてイキがる雰囲気がない。 携帯電話も禁止ではなく、届けなさい、と言っています。もちろん、校則以前の問題として授業中に鳴らないようにするとか、公衆マナーを守るというのは大原則です。たまに切り忘れて授業中に鳴って慌てる子がいる。そんなときは預かります。鳴らしたほうも観念するようです。 アルバイトは基本的に禁止ですが、最終的にはご家庭の判断が優先します。 ―落第・退学の基準はどうなっていますか 中学の間は、実技科目も含めて全科目の平均が60点以下ですと、いわゆる「落第基準」に抵触します。ただ、形上はそのような形を設けてはいますが、中3までは実質的には留年や進級できない生徒はいません。中には60点を切ってしまう生徒は実際にはいます。でも点数でスパッと切るのは教育ではないと思うんですよね。生徒に話をして、来年はここまで頑張ろうね、と約束をして進ませる。機械的に落第させるのは芝の方針ではないです。 ただ、中3から高校にあがるときのハードルはそれなりに厳格に運用します。去年は0でしたが、普段の年は1・2名、多い年で3名くらい、上がれずに外部に出る生徒がいます。高校に行くと欠点科目が2科目以上あると留年になります。
数年に一人ですね。うちは居心地が良いのでなかなか出たがらない。(笑) 芝で普通に頑張れば早慶には大学で受かる可能性が強いので、あんまり敢えて高校から出ようという気にはならないのでしょうね。 ―非行行動での処分というのはありますか もちろん、喫煙や飲酒など法律を犯したりした場合、処分の規定というのはあります。高校では停学になりますし、中学では登校させますが、授業には出させません。ただ、非行行為で退学にはしません。まあ本人が芝が嫌でやめるといえば仕方がないですが(笑)、学校側が「君は面倒見切れないからやめてくれ」ということはないです。基本的には、当校の中で何とか悪かったことに気づかせて立ち直らせたいというのがわれわれの思いです。 それに、何度も言うように、うちの生徒はのんびりしていますから、ちょっと乱れ気味でも目立ちます。すると、すぐわれわれ教員が声をかけたりご父母に連絡を取ったりしますので。 ―習熟度別クラス編成は取り入れていますか
―1クラスは何人ですか 中学は40から42人です。高3は上記のTコースは希望者が多いので45人くらいになります。他のクラスは27人から35人くらいですね。 ―芝の生徒さんは塾通いはしているのでしょうか 高3は別として、中学生では通っているのはごくわずかです。2割くらいでしょうか。過去の例を見ても、まったくどこも行かず芝だけでやっていた生徒のほうが上位に入っているんです。塾と勉強と、あまりいろいろなことをやりすぎるとかえって混乱してしまってよくないようですね。 ―本日はどうもありがとうございました。 <取材を終えて> 今回、取材に応じてくださったのは、入試委員長の石川年也先生。1時間を越える取材中、石川先生が「人に優しい」「人を育てる」というお言葉を何度も使われていたのが印象的でした。今年の合格実績を語られるときは、さすがに言葉の端々にうれしさがにじみ出ていたような気がしました。ガツガツとやるのではなく、「芝らしさ」を大切にしながらこれだけの実績を出したことに対する安心感と達成感があったのでしょう。「芝温泉、なんて皆さんおっしゃっているのは知っています。最近は『温泉の効用もありますよ』と、言うことにしているんです」という先生のせりふには、静かな自信と余裕を感じました。石川先生、校務ご多忙の中ありがとうございました。
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