渋谷教育学園幕張中学校 (千葉市美浜区) | 学校探検 | ||||||||||||||||||||||||
進級基準・部活動・学校生活
中学から高校に進むときは、本人の希望があれば全員があがることができます。外部に進学する生徒はほとんどいません。勉強について苦労している生徒がまったくいないかといえば、それは、います。ただ、手前味噌になりますが、うちの教員は本当に面倒見が良いんです。補習・補講などを通じて引っ張っていきます。また、勉強オンリーの進学校ではないので、多少、成績で他の生徒の後塵を拝しても、部活や生徒会活動・校内行事等で自分の居場所を見つけていくんですね。ですから、成績が悪くていづらくなってやめざるを得ないという状況にはなりません。 留年もほとんどありません。今年は入学者数の合計と卒業者数の合計はほとんど同じです。数名、転居で抜けられる方がいましたが、成績のみで退学した生徒はゼロです。去年は330名卒業ですが、これは入学者の合計とまったく同じで、つまりやめた生徒は事情に関係なくゼロです。 −校則について教えてください。 日常、われわれが学校生活を送る上で、校則を意識することのほうが少ないですね。「社会生活を送る上での常識で判断していきましょう」と言うことですね。生徒に指導するときに「校則違反でしょ」という表現はしないですね。例えばだらしない服装をしている子には「そういう服装をしていると相手に失礼だよね」という言い方をしますが、「決まりだから」という言い方はしません。携帯電話については、基本的には、学校に持ってきてはいけないということはありません。ただ、校内での使用は控えてくれ、ということですね。切り忘れて授業中に鳴る、ということも滅多にありませんね。その点、皆、しっかりしています。
−部活も盛んですね。 ええ、サッカー部などは今年はプリンスリーグ(全日本ユース選手権)の地域リーグにも出場しています。また、空手道部や陸上部ではインターハイで上位入賞者が出ました。 −高校入試において、スポーツ推薦というのはなさっているのでしょうか。 高校入試でTAG入試というのがありまして、これはいわゆる自己推薦です。その中にC推薦というものがあります。これはスポーツ推薦という狭いものではなく、文系理系どの分野においても秀でた実績を持つ生徒、という定義でして、むしろ、放送コンクールで上位入賞者とか、日本学生科学賞を受賞したお子さんとか、体育系以外の方が多いです。 −スポーツ推薦でサッカー部が強くなっているわけではないと。 ええ、スポーツ推薦でサッカー部に入ってくる生徒は、せいぜい一人とか二人ですから、それだけではチームが組めませんし(笑)。むしろ普通の生徒が一生懸命トレーニングをして、強くなったということですね。 −渋幕はスポーツが盛んなので、運動が不得手な生徒は入ってから苦労する、などという話も聞きます。 いえいえ、それが誤解であることは中1の体育の授業をご覧になっていけば一目瞭然です(笑)。中学入学当初は、ほとんどのお子さんは何しろ靴紐が結べないのですから。その心配には及びません。運動が不得手でも、他の校内活動でいくらでも活躍する場がありますから、「浮いてしまう」ということはないです。
はい、繰り返しになりますが、本当に当校には多様なお子さんがいます。ですので、いじめを生む土壌というのが無いのでしょうね。帰国生も、スポーツが得意な子も、勉強が得意な子も、外国籍の子も、いろいろなお子さんがいますから、その生徒なりの存在を周囲が自然に認めてくれます。何かが他と違うからだめとか、何かが足りないから浮いてしまう、というのは、風土としてないんですね。それが大きいのでしょうね。 −塾通いについては 中学校のうちは、塾に通う子はほとんどいません。ダブルスクールというのは本来不自然な形であり、学校の勉強で足りるというのが理想ですから、学校のカリキュラムをきちんと習得するだけで大学入試に対応できる、ということを目標としています。 特に中1・中2では、基礎作りの段階ですから、学習の仕方を含めて指導していきます。それなりに家で机に向かわざるを得ないカリキュラムになっていますし、塾に通う生徒はほとんどゼロですね。 高校段階になると、クラスの1割程度でしょうか。予備校の単科講座などをとる子がチラホラ出てきます。高3になるともう少し割合は増えますが、それにしても他の進学校に比べれば塾・予備校通いの率は少ないほうだと思います。まあ、都心に比べて、場所が遠いので通いづらいという面も否定はできませんが。 −逆に言えば塾通いなしでこの実績は逆にすごいですね。 そうですね。そう言って下さると大変励みになります。実際、卒業生に大学合格体験記を書いてもらうと、「予備校は通わなかった」「塾は苦手なので」という表現がすごく多い。それは良いことなのか悪いことなのか(笑) −渋幕のお子さんは、良い意味でおっとりしていると言うのか、ガツガツしていないので、あまり塾や予備校に合わないのでしょうね。 ええ、アットホームというか何というか、一つのコミュニティが形成されていますから、それはあるのかもしれませんね。 −本日はどうもありがとうございました。 取材を終えて 明るく開放的、というイメージの渋谷幕張。実際に伺ってみると、校舎の配置や行き交う生徒、先生方の雰囲気もイメージ通りでした。うかがったのは期末試験後の放課後でしたが、ドリルチームやサッカー部などの練習中の掛け声、吹奏楽部のメンバーが思い思いに練習に励むその楽器音などが聞こえ、全国有数の進学校の校内にいることを忘れるほど。 インタビュー中、「多様性を大切に」、という言葉が何度も先生の口から出てきました。均一化した集団を指導したほうが、学校側は運営しやすいはずなのですが、それをあえて様々な生徒を受け入れることによって活性化させよう、という学校の理念と見識に多くの受験生のご父母が共鳴されたのでしょう。大学合格実績も今後どこまで伸びるのか、東大合格50名を超えて全国トップ10入りする日もそう遠い将来ではない、そんなエネルギーを感じさせる学校でした。 福元先生、ご多忙の中ありがとうございました。
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