明治大学付属明治中学校 (東京都調布市) | 学校探検 | ||||||||||||||||||||||||
約95%が明治大学に進学―進路・カリキュラム・入試について―
中学段階では付属校・受験校を問わず、基礎力を固めることが非常に大事です。時間数では英語が週6時間、「トレジャー」をテキストに「総合英語」と「英文法」とネイティブの先生による「英会話」の時間を設けています。「総合英語」は中2から習熟度別クラスとなります。英語と数学は「先取り学習」を、理科・社会も高校内容を見据えて掘り下げた授業内容となっています。宿題も英語・数学を中心に多いのですが、一方で遅れ気味の生徒に対しては指名制で週2回7時限目に補習講座を設けています。 ―中学校は1学年何クラスですか。 共学化してから、5クラスです。 ―「先取り学習」は中3で高1内容を終えるスピードでしょうか。 英語・数学の先取りは半年分くらいです。数学は「体系数学」をテキストに「デキ」という問題集を併用しています。 ――高校からのクラス編成はどうなりますか。 高校から100人強新たに入学しますが、内部進学の生徒とは高1から混合のクラスとなります。 ―中学から高校への内部進学の基準について教えて下さい。 中3の1学期と2学期の平均の成績が、5教科500点満点中275点以上で、赤点(40点未満)がないことです。 ―高校へ進学せずに外部に出る生徒はどのくらいいますか。 年度によって違いますが、平均2,3名です。心情的には進学させてあげたいのですが、生徒本人のためを考えると別の高校へ進み環境を変えることも1つの選択肢ではないかと思います。 ―夏休み中に補習や講習が行われますか。 日頃の7時限目の補習の他に、夏休み中も指名の補習が1週間程度あります。補習のメンバーは定期試験ごとに変わります。
―の大学への進学状況について教えて下さい。 これは2009年度の数字ですが、卒業生224名中、212名が明治大学に進学しています。 ―明治大学への推薦の基準はどうなっていますか。 基本的には普段の成績の積み重ねです。高1・高2・高3の3ヵ年の成績を、計算式は複雑ですが、おおむね3対4対5の比率で合計します。それを100点満点に換算して60点以上というのが推薦の基準です。普段の学業成績の他に、英検やTOEICのスコアも点数化されて加算されます。 ―法学部・商学部・政経学部は進学希望者が多いと思うのですが、人数の枠が決まっているのでしょうか。 はい、ほぼ決まっていますので万が一、枠以上希望者がいた場合には希望がかなえられないという場合もあり得ます。ただ一方で、優秀な生徒がたくさん集まった場合には大学側との個別の交渉によって受け入れを認めていただける場合もあります。ほぼ全員が希望の学部に進んでいます。 ―国公立受験者は明治大学の推薦権を留保して受験できると伺っていますが、推薦基準は同じでしょうか。 同じです。併願することで不利益はありません。年度にもよりますが、毎年10名前後が受験します。 ―中学・高校で塾や予備校に通っている生徒の割合はどのくらいですか。 だいたい2割から3割です。中学生は学校の勉強に困ってというよりも中学受験で塾で勉強する習慣がついているのか(笑)、そのまま例えば英語を習っているとか、高校生では明治大学以外を受験する生徒が予備校を利用する場合があるようです。 ―男女共学になって入試に間して何か変化が起きた、ということはありますか。 2009年度はサンデーショックの年で男女のレベル差が少しありました。2月2日は男子の優秀な受験生が多く、3日は女子の上位層が集まったといえます。全体としてその前の年度と募集定員は変わらなかったのですが受験者数が増えましたので、実質倍率も上昇しました。普段は特別、男子校時代と明らかに変わった、という印象はありません。 ―合格者の男女の人数比はどうなっていますか。 中学校の場合には女子の割合を約30%と考えています。プラス・マイナス5%誤差が認められていまして、35%弱の年もあります。
―重複出願の際の優遇措置について教えて下さい。 2回出願された方は本校に対して強い志望の気持ちをお持ちでしょうから、3点以内の優遇措置がとられます。但し、10名以内という条件がつきます。 ―御校のように伝統と人気のある学校が入試を2月2日・3日に実施されていますが、将来2月1日に参入するお考えはありませんか。 そうですね。2月1日は解禁日ですから第1志望の生徒をとれるということになると思います。ただもう一方である程度のレベルの確保も大事でして、結果的には2回入試を設けたときに2月2日・3日という形にさせていただきました。本校は付属校ですから明治大学がメインですが、それ以外の大学を志望する生徒に対しても十分フォローできる体制になって出口のところでも実績をつくれれば、2月1日も考えられなくもないかなと個人的には思います。 ―校舎が調布に移転したことで、入学者の通学範囲に変化はありましたか。 はい、大きく変わりました。今までは御茶ノ水でしたから、東京都では足立・葛飾・墨田・江戸川などの東部が多く、あとは千葉・埼玉・神奈川が同じような割合でした。調布に移転してからは、東京都の市部が区部と拮抗してきました。区部でも杉並・中野・世田谷といった西部が増えてきました。千葉・埼玉は若干少なくなり、神奈川はあまり変わりません。 ―最後に受験生に一言お願いします。 まず学校を見ていただいて好きになっていただくのがスタートだと思います。私学はどの学校も独自の教育を行っていますので、その教育内容に賛同していただくというのが一番です。受験勉強については学校によって出題傾向に違いがありますので、しっかり傾向を分析してそれに応じた準備をしていただきたいと思います。 (取材を終えて) スクールバスで京王線調布・飛田給駅から約10分、中央線三鷹駅から約20分に立地する明治大学付属明治高等学校・中学校。正門を入ると広大なグラウンドと落ち着いた色調の真新しい講堂がまず目に入ります。調布に移転し、男女共学となり全く新しく生まれ変わった印象でしたが、取材を通じて「質実剛健」「独立自治」の建学の精神が脈々と受け継がれていることを知りました。西村先生には、お忙しい中ご協力いただき本当にありがとうございました。
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