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「夏休みの効果的な学習法③理科・社会」-「朝日小学生新聞」掲載記事より

2019.07.11

理科「まとめノートで、知識の穴をうめる」-吉場大祐講師

理科は「物理」「化学」「生物」「地学」から構成されています。

四つの分野は深いところではそれぞれが関連していますが、表面的には結びつきがとらえにくいのが実情です。受験生の多くは、各分野について「個別の知識」としておぼえているのではないでしょうか。また、それぞれの単元に対しても、ところどころに知識事項の「穴」がある場合が少なくありません。

夏休みが始まるまでのこの時期を利用して、テキストを最初のページから読みこみ、忘れている知識事項がないかどうかを確認しておくことをおすすめします。この作業といっしょに苦手にしている部分を洗い出し、それらを克服する取り組みを夏休み中に進めます。

単元ごとに重要な部分をまとめたノート(まとめノート)をつくることも効果的です。図や表もみなさんがまとめるのが理想ですが、時間的な制約があるなら、コピーをはってもかまいません。ノートをつくることで、それぞれの単元の全体像を見わたし、重要な部分をとらえやすくなります。図や表について自分でコメントなどを書き入れると「ここが大事なポイントなんだ」と、意識できるようになります。

夏休み中は「物理」や「化学」を中心に、計算をともなう問題にも意識的に取り組みます。理科では割り切れたり、暗算で答えがでたりする計算は、まずありません。必ず式を立て、筆算で解く習慣を身につけます。

比例の関係にあるものを見きわめるなど、計算問題に慣れておくと、本番での得点源にもなります。

社会「カードを作って、知識事項まとめる」-須藤恭博講師

塾などの夏期講習は復習が中心です。受講する場合、夏休みの勉強にも活用します。

夏期講習が始まる前に苦手にしている分野を確認します。これまでに受けたテストや模擬試験(模試)を見直し、全体の正答率が50% 以上なのにまちがえたという問題が弱点といえるかもしれません。夏期講習の授業をしっかり聞き、テキストを復習することが欠かせません。

分野別にポイントを紹介します。「地理」では平野や台地、盆地、川、半島などの位置と地名を地図帳で確認します。旧国名がつく地名は入試でよく取り上げられるので注意が必要です。
地域の特色をつかむ勉強も効果的で、オリジナルのカードをつくるのが一つの方法。たとえば山梨県の中央部に広がる甲府盆地なら、表に盆地の名前、裏に関連事項として「モモ、ブドウ、扇状地、水晶」などと記入します。

統計資料にも慣れておきます。都道府県については人口や面積の上位と下位のそれぞれ1~5位ぐらいをおさえるのが「鉄則」です。

「歴史」では、人物を「材料」にした勉強法がおすすめ。地理と同じようにカードをつくり、表に人物の名前、裏には「何をしたか」といった業績や、その影響などを記入します。「聖武天皇、行基、鑑真」のように、関連がある人物はセットでおぼえます。この3人に共通するのは「仏教」ですね。

「公民」の場合、重要な用語が抽象的で、なかなかピンとこないという受験生がめだちます。視覚から内容をイメージできるよう、おぼえるときには漢字で書くようにします。(6/30「朝日小学生新聞」中学受験特集より)