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「追い込み学習でワンランク上の力を(理科編)」~朝日小学生新聞掲載記事より~

2019.11.19

「基礎固めか演習か、志望校別に対策を」— 西村 賢治 講師

理科の場合、受験生がめざす志望校の難易度によって、この時期からの対策に違いがあります。大きく二つにわけて説明します。

中堅校までのレベルの学校では、基礎的な知識を問う出題が中心。必要な対策は「基礎固め」です。知識事項と問題演習用のドリルをそれぞれ用意し、全ての単元や分野について見直します。「時間がかかりそう…」と感じるかもしれませんが、決してあせらないように。しっかりと取り組めば、比較的短い期間で成績アップが期待できそうです。

「はやめに過去問に取り組ませたい」と考えている保護者のみなさんがいるかもしれません。けれども、演習の目的は「志望校の出題傾向に慣れること」と「いまの時点での自分の力を知ること」にあります。「〇月になったから」といった理由で過去問の演習に取りかかっても、それほど意味がありません。基礎的な力が身についたことを確認してから、着手するのが効果的です。

一方、上位校やさらに難易度が高い学校をめざす場合、過去問の演習を勉強の柱にします。こうした学校では、各校ならではの出題があり、それぞれのスタイルに慣れることが大事だからです。

ただし、それほど点数を気にする必要はありません。それよりも、どこを(あるいは何を)糸口にして、そこからどのような筋道を立てて正答までを見通すか、解法のプロセスを意識することを優先します。

また、全体の問題数とそれぞれの分野(物理・化学・生物・地学)別の問題数、長めの問題文が盛り込まれた出題の有無をチェックし、その上で「どの問題で得点をねらうか」と、自分なりの戦略を考えましょう。

(11月2日 朝日小学生新聞・掲載記事より)